今月２２日から始まる予定の政府の消費喚起策「Ｇｏ Ｔｏトラベル」について、道内の自治体や観光協会を対象にした国の説明会が開かれました。担当者は東京発着の旅行が対象から外れることについて理解を求めていました。
「Ｇｏ Ｔｏトラベル」は政府が観光で消費を喚起するための事業で、今月２２日から国に登録した国内の旅行ツアーや宿泊の代金などが割り引きになります。
１７日は事業の開始を控え、道内の自治体や観光協会などを対象にした国の説明会が開かれ、およそ６０の団体が出席しました。
国の担当者は事業の内容を説明しましたが、１６日になって東京を発着する旅行が対象から外れたことについては、「感染が拡大している状況から今回の決断に至ったと聞いている」などと述べて理解を求めました。
詳しい説明などがなかったこともあり、参加者からも直接問い合わせる質問は出ませんでした。
千歳観光連盟の男性は「旅行者数が減ると思う。道として東京以外の地域から観光客に来てもらえるようにおもてなしと感染拡大予防の体制作りが必要だ」と話していました。
また、北広島市観光協会の女性は「今は地元の方に地元の魅力を知ってもらう取り組みをしているので大きな期待はしていなかった。感染が収束してから来てもらえたらよい」と話していました。
北海道運輸局の安田稔幸観光部長は「方針の変更もあるが、キャンペーン自体は予算を付けてやるのでしっかり活用してほしい」と話していました。
【東京除外に戸惑いの声】
「Ｇｏ Ｔｏトラベル」で東京発着の旅行が対象外となったことを受けて、現在羽田便のみが運航している旭川空港では、土産物店などのテナントから戸惑いの声が上がっています。
旭川空港は、旭川市の旭山動物園や富良野地域のラベンダー畑など夏の北海道観光の玄関口の一つです。
新型コロナウイルスの影響で中部空港と結ぶ便が運休し、現在は羽田便のみが運航していて、首都圏からの観光客も徐々に増え始めているだけに、１６日の突然の決定に戸惑いの声があがっています。
このうち出発口付近にある土産物店では、キャンペーンのスタートにあわせて商品を４倍に増やす予定ですが、観光客の大幅な増加は見込めないとして発注を減らすことも検討しているということです。
土産物店の塚越大輔店長は「観光客が戻りつつあるなか、キャンペーンによってさらに増えると期待していた。来てほしい気持ちもあるが、感染防止対策とキャンペーンをしっかりと両立してほしい」と話していました。
【層雲峡温泉のホテルは】
上川町の層雲峡温泉は年間５０万人前後が宿泊する道内有数の観光地ですが、ことしは新型コロナウイルスの影響で観光客が激減しています。
このうち大正１２年創業の老舗のホテルでは、およそ３か月にわたって休館を余儀なくされたほか、今月の売り上げは去年と比べおよそ４分の１に激減すると見込まれています。
それだけにキャンペーンに大きな期待を寄せていますが、１６日の突然の決定を受けて今後の営業を不安視する声が上がっています。
１７日現在、東京からの観光客の予約はおよそ３０人分入っているということで、今後キャンセルが相次ぐのではないかと危機感を募らせています。
中島大総支配人は「１年で最も客が多い時期だけに影響は大きい。ただ、感染が拡大すればわれわれも厳しい経営状況になっていくので、受け止めるしかない」と話していました。
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July 17, 2020 at 03:00PM
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